Devin Townsendがクラウドファウンディングでアルバムの制作をするというので、早速100ユーロほど投資してみた。
Devin Townsendは、これまでも作品の制作費をレコード会社に頼らず(頼れず)、
ebayにグッズやレアアイテムなどを出品したりして、自身で工面することがあった。
Devin Townsendの新作を聴きたいので、僕も何度か購入した。
才能があり、ミュージシャンからの評価も高く、一定のファンがいるアーティストでも、こんな厳しい制作環境にいる。
レコード会社(特にメジャーレーベル)の質の高い音楽を世に広めるという役割はとっくに形骸化しており、 20年ぐらい前から彼らは、売れる音楽を作らせること(流行に迎合した作品づくりをさせること)が仕事になり、今では、大御所であったり、新人であればグッドルッキングであることなど、失敗しないアーティストにしか投資しなくなった。
ビジネスとしてそれが悪であるとは言えないけど、音楽ファンはその現状をよく知っているので、もうメジャーレーベルから発信される情報には目を向けなくなった。そして、ネットを活用し、質の高い音楽を自身で発掘するようになり、今では投資をし、直接制作に寄与するようになった。
タワーレコードやHMVといった販売店が不調なのは、リスナーの好みが多様化したことや、ネット販売が増えたことが原因ではなく、レコード会社のビジネス方針による影響が大きいのではないだろうか。
しかし、日本の販売店は捨てたものではなく、最近ではレコード会社に頼らず独自で高品質な音楽の発掘に積極的になっており、音楽ファンの販売店離れを防いでいる。
昨年からハマりっ放しのカナダ出身の"Ocean City Defender"などは、タワレコリコメンドで知ったアーティストで、当時はメジャー契約はおろか日本以外でフルレンスアルバムの発売もタワレコ以外では行っていなかった。もちろん、iTunes(USやJP)やAmazon.comでも展開していなかった。
販売店が生き残る道は、レコード会社に代わり、いち早く才能あるアーティストを発掘したり、それに付随してクラウドファウンディングの窓口になることではないかなと。
僕は、欲しいものは自分たちで作ろうという、株にはないピュアな精神と、独占欲の強いパトロンでもない、クラウドファウンディングのシステムが好きで、今後のものづくりバックアップの主流になって欲しいと思う。
さて、今回のDevin Townsendの資金集めは、12時間以内で目標額の2倍を稼ぎ出し、分厚いファン層がいることを証明してみせた上に、無事に新作に着手してもらえそうです。
本当に聴きたいと思っているファンから出資してもらい、作品作りに臨めるというのはアーティストとして最高の喜びなのではないだろうか。楽しみー
P.S. そんなDevinさんが今日出演した"Progressive Nation at Sea 2014"で、なんとDream Theaterの"Burning My Soul"をコピーしたとか!!!! 行きたかったなー