今回の大津市の件に限らず、いじめによる自殺には激しい憤りと遣る瀬なさを感じるのですが、どこかで「逃げてもいいんだ」という事を教えるべきではないだろうか、と思う訳です。いじめの場合は転校とか。いじめがピークに達している時に、こんな事を教えても、それを処理するだけの余裕がないので、なるべく早い段階で。
「諦めたら、そこで終わり」という言葉もありますが、一方で「諦めたら、そこで終われる」という言葉もあります。日本では粘り強くやり抜いた末の成功は評価され、諦めたら逃げたと思われます。諦め癖がついてはいけませんが、僕は、資本や体力が限界になったり、手遅れになるぐらいなら、さっさと撤退した方がいいと思っています。撤退には、勇気がいりますし、プライドは傷つきますし、痛みもあるでしょう。特に、立て直すべく時間と体力を注入した上での撤退となると、後ろ髪を引かれる思いもかなりのものでしょう。何に繋げたいかというと、テレビ事業を主戦から外す決断をしたパナソニックの事です。
最近、パナソニックの動向が気になっていて、色々な記事を読んでいて、パナソニックは結構外資っぽい会社だなと感じました。SONYなんかより余程、柔軟な動きをしているように見えます。中興の祖 中村邦夫氏の肝煎りだったテレビ事業を主力から外すのは勇気のいったことでしょうし、会社のプライドも傷ついたと思いますが、パナソニックの成長を感じさせる勇気ある決断だったと思います。津賀新社長が、当時の中村会長・大坪社長に撤退を直訴したのは、自身がまさにテレビ事業の担当専務だったときだったそうで、人一倍勇気がいったことは想像に難くないわけで。
こだわりやプライドで会社を守り切るのは難しいですし、意地があっても健康や精神を害したり死んでしまっては意味がありません。会社があれば、健康であれば、立ち直す事はできるし、やり直せます。諦めない根気は勿論大切ですが、諦める勇気も学ぶ・教える必要がある気がします。
イジメを受けているすべての少年に「またイチから人間関係を築くのは勇気のいる事だけど、転校しろよ。健康で生きていることの方が大切なんだ」と伝えたい。
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