僕らの学校では、毎週ひとつのテーマに沿って、リーディングやリスニングが進められます。そのテーマとは、「Food(←不可算)」「Money」「Risk」「First Impression」「Communication」など様々、僕が入学した週は「Advertising」でした。
それぞれのテーマで、専門家などが話す会話を聞き、そこに使われている単語や文法を学びつつ、僕ら生徒が意見を言ったりします。例えば「広告は必要なものだと思うか?」とか「昔に比べてコミュニケーションは便利になったか?」など。教科書はロングマンやオックスフォードなど学術的な出版社による学校オリジナルの仕様で、「コミュニケーション」のパートなどでは、SNSも普通に扱われていて時代に即した、しっかりした内容です。
今週のテーマは「Success」でした。 冒頭でいきなり「あなたにとって"Success"とは何か?」という問いがあり、いくつか例が紹介されていて、「裕福になること」「家族と幸せな生活をおくること」「健康でいること」「有名になること」など。
こういう問いへの回答には、結構国民性が反映されて興味深い。個人差はありますが、韓国人には「いい仕事に就くこと」という意見が多く、20歳前後の大学生で就職に敏感な年頃であることと経済発展著しい昨今の事情が如実に反映されていると思います。ちなみに、僕にとっての成功とは「自分が望む人生を過ごす事」だったりします、灘高の先生の受け売りですがw 当然、仕事も大切。「Money」がテーマのとき「もし、お金が十分にあれば何をする?」という問いに対して、サウジアラビア人の多くは「家を買う」「車を買う」 という意見が多かった時も、国民性だなぁと感じました。物質的な欲求が強いのは発展途上国の特徴で、 仕事を重視するのは急速に経済発展している国で、今の中国や高度経済成長期の日本なども仕事最優先だったのかもしれません。
先生はどの意見も否定せず、各意見を尊重し「なぜ、そう思うの?」と問い、議論をします。アメリカの小中学校などもこういう授業内容なのであれば、それは考える力が鍛えられるはず。アメリカでは、考える癖をつけることと自分の意見を述べることが教育の最重要課題なのかもしれません。実際、アメリカの"大学院"入試の共通テストの数学は、日本の中学レベルだったりするので、その分を上記2つに注力しているのかも。
僕はある程度詰め込みも必要だと思っているので、日本的な教育とアメリカ的な教育のどちらがいいかは分かりませんが、教師に求められる技能はアメリカの方が高い気がします。「白熱教室」の影響もあって、日本にもこのスタイルの授業が増えつつあると聞きましたが、馴染むかどうかは生徒の質より教師の質に拠る気がしますね。
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